交通事故の過失相殺とは
交通事故の損害賠償請求をするときに必ず考えなければならないのは「過失相殺」というものです。今回は交通事故の過失相殺について解説します。
交通事故の過失相殺とは
交通事故が起こった時、100%加害者が悪いという事は実はそれほど多くありません。交通事故が起こる原因は加害者の過失だけではなく、被害者の過失もあり、それが重なった時に起こることが多いのです。被害者の過失というのは、横断歩道を横切ったり、信号無視をしていたり、よそ見をして歩いていたり様々な過失があるのです。
交通事故の過失相殺とは
被害者にも何らかの過失があった場合に、被害者側の過失の程度(過失割合)を考慮して、損害賠償額を減らすことを意味します。
例えば歩行者と四輪車の事故の場合
歩行者(被害者):横断歩道を横切った → 過失割合:25%
の場合は、損害賠償額が100万円だとして、加害者に請求できる金額は過失分が考慮され75万に減額されます。
過失相殺が認められるのは任意保険が主
自賠責保険は強制保険なので、被害者にとても重大な過失がある場合にしか過失相殺は認められません。仮に認められたとしても、その割合は、20%、30%、50%と種類が決まっています。
過失割合の決め方
過失割合は1つの基準が過去の事例に従って固定化され決まっています。そこに事故発生の状況に応じて、過失割合をあげたり下げたり、最終的な割合が決まります。
1.基本割合の決定
- 歩行者×四輪車
- 四輪車×四輪車
- 事故の発生状況
- 事故の発生場所
に応じて基本割合が過去の判例に基づいて決定されます。
2.修正
歩行者に過失が加算される要素
- 夜間
- 幹線道路
- 直前直後横断
- ふらふら歩き
- 横断禁止の規制あり
など
歩行者の過失が減算される要素
- 住宅・商店街
- 児童・高齢者
- 幼児・身体障害者
- 集団横断
- 歩車道の区別なし
など
四輪車の加減算される要素
- 見通しのきく交差点
- 合図なし
- 制御等故障
- 初心者マーク
- 大型車
- 一方の明らかな先入
- 15km以上の速度違反
- 30km以上の速度違反
- 右折禁止違反
など
3.修正後の過失割合の決定

つまり交通事故では、被害者側の過失の割合に応じて、損害賠償額が減額されることになります。
この過失割合は、損害賠償額に大きな影響を及ぼすものになってくるので、加害者側も、被害者側も、正確に理解しておく必要があるものです。
基本的には交通違反をしていると過失割合の修正は不利になるものですので、普段から交通規則を守るルールに即した運転や歩行を心が得ておく必要があるのです。
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