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軽い交通事故、物損にする?人身にする?
GWや夏休みなどの大型連休に入ると、毎年事故が増えます。理由はいくつかあると思いますが、中でも「長距離運転からくる疲労」「サンデードライバーの増加」などが連休の交通事故の主な原因です。思わぬ事故で楽しい思い出が台無しにならないよういつも安全運転をお願いします。
今回は、万が一起きてしまった軽い事故の対処についてお話しします。

まず、「物損事故と人身事故の違いは何?」というところからご説明します。
物損事故とは、自損事故とも呼ばれ、車やカードレール、建物などの物に損害を与えた事故のことです。
人身事故とは、人間の身体・生命に損害が発生した事故のことを言います。
人身事故の場合には、被害者保護のため自賠法(自動車損害賠償保障法)が適用されます。この法律によって大きな3つの違いがでてきます。
3つの大きな違い
①人身事故の場合、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)で最低限の補償は確保されますが、物損事故には自賠責保険の補償はありません。
②物損事故の場合、被害者が加害者の故意過失を証明しなければいけませんが、人身事故の場合、加害者が無過失を証明できないと、被害者に対して賠償責任を負うことになります。
③人身事故の場合、加害車両の運転者だけでなく、運行供用者(自動車の所有者、会社等)にも損害賠償請求することができます。
「どうしたほうがいいですか?どちらが損しませんか?」と思うことでしょう。確かに、交通事故に遭ったうえ、賠償問題において、さらに損をすることは誰もが嫌でしょう。しかし、交通事故に遭ったら、損得や事故の大きさは関係なく、必ず警察に連絡し、人身扱いにしてもらって下さい。これはお互いのためです。保険会社や加害者側の「事故も軽く、おケガもないようなので、手続も面倒になりますから、物損扱いということで…」という誘いには一切乗ってはいけません。
加害者・保険会社側からすると物損事故はメリットしかなく、被害者側からすると大きなデメリットになるのです。
加害者・保険会社側の物損事故のメリット
①免許の点数
道路交通法違反がある場合を除いて加算されません。
②刑事罰を受けません。
人身事故の場合、自動車運転危険致死傷罪や危険運転致死傷罪が問われる可能性があります。
③賠償金が非常に安い
物損事故において支払うべき金額は車の修理代金のみなので、慰謝料等がなく安価で済む可能性がある。
被害者側の物損事故のデメリット
①賠償金がとても安い
軽度の接触事故で物損事故扱いだと、請求は物損のみとなり、車の修理代金といっても20万以下の請求となる場合が多くなります。
②治療費は自己負担
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)にて最低限の補償がなくなり、後々事故によるケガ、障害が起きてもその最低限の補償がないため、治療費は自己負担となります。自賠責保険の補償対象は人身損害のみだからです。
③実況見分調書
物損事故では被害者が加害者の故意過失を証明する必要があります。その時、事故状況の証明になるのが警察の実況見分調書です。ですが物損事故になった場合、警察が作成するのは簡単な物損事故証明書のみとなり、過失割合の争いがあった場合、事故の状況を証明する材料がなくなってしまい、不利益となってしまうことがあります。
自身を守るためにも、交通事故に遭ったら必ず「人身扱い」にしましょう。
物損から人身事故へ切り替える方法

もし「事故の時ケガもなく、物損事故扱いで進めていたが、後々身体に痛みが出た場合」に人身事故に切り替える方法があります。
1.警察へ人身事故の切り替え届出
事故後10日以内くらいであれば警察に人身事故の切り替え届出を出すことができます。
その際に医師の診断書が必要となるため、必ず受診し診断書を書いてもらいましょう。
ですが事故状況と診断書の内容が異なってたり、事故から日にちが立ちすぎてたりすると人身事故に切り替えてもらえない可能性がありますので、事故で身体に違和感を感じたら、すぐ病院で受診することが大切です。
2.人身事故証明書入手不能理由書
警察で切り替えできなかった場合は、民事でのみ人身事故扱いとしてもらう方法があります。
そこでは「人身事故証明書入手不能理由書」が必要となります。物損から人身事故にするには、加害者の保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」を提出し、人身事故を認めてもらわなければいけません。認めてもらえれば民事的には人身事故となり、治療費、慰謝料などの支払を求めることができます。
人身事故証明書入手不能理由書とは
人身事故の事故証明書を何故入手することができなかったのか説明する書類です。保険会社から書式が貰えます。
3.裁判
警察も、保険会社も認めてもらえなかった場合は裁判所で人身事故を認めてもらう事になります。この場合は必ず弁護士に相談をしてください。
裁判となると立証するだけの証拠や、ケガとの因果関係を証明する必要があり、時間もお金もかかります。これは加害者側も一緒なので、弁護士が介入することで保険会社も人身事故と認めてくれる場合もあります。
それでも認めてもらえないとなると交通事故に強い弁護士に相談してみてください。
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わかりやすく伝わるように心がけています
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